ここでは、「過払いついて」のページでお話した、みなし弁済が認められるための5つの要件の1つである、43条3項の「業者が弁済を受ける際に、貸金業規制法18条で定める書面を交付していること」、いう要件に関する判例を紹介したいと思います。
平成11年1月21日最高裁第一小法廷判決では、債務者が銀行振り込みによって返済を行った場合に、貸金業規制法18条で定める書面を交付する必要があるかどうかが争点となり、
「支払いが貸金業者の預金または貯金の口座に対する払込みによってされたときであっても、特段の事情のない限り、貸金業者は、右の払込を受けたことを確認した都度、直ちに、同法(貸金業規制法)18条1項に規定する書面を債務者に交付しなくてはならない」と判断しました。
また、平成元年3月14日大阪高裁判決においては、債務者が銀行振り込みの方法で貸金業者に返済を行う場合に、債務者と貸金業者との間で、銀行が作成・発行する振込金受取証書をもって、貸金業規制法18条で定める受取証書に代える旨の合意がなされたとしても、振込金受取証書を18条書面と認めることはできないとする判断が下されています。
さらに、平成16年2月20日最高裁第二小法廷判決によると、「貸金業者の銀行口座への振込用紙と一体となったものが返済期日前に債務者に交付され,債務者がこの書面を利用して貸金業者の銀行口座に対する払込みの方法によって利息の支払をしたとしても,法18条1項所定の要件を具備した書面の交付があって法43条1項の規定の適用要件を満たすものということはできない」という判断がなされています。